大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和24(れ)1002 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人前田力の上告趣意書は、末尾に添えた別紙記載の通りである。

(一) 論旨第一点は、本件犯行当時の取引価格は原審判決当時の公定価格に比

較してその範囲内であるから、本件は罪とならないか、または原判決の量刑は不当

である、というのである。しかし物価統制令なるものは、当該時期の経済状態に即

応した物価の適正を期し需給関係の円滑をはかり国民経済の運行を確保しようとす

るものであるから、販売価格の当否は当然に販売当時の指定価格を基準として決す

べきであつてその後の指定価格の廃止は、犯罪の成否に影響しないことおよび指定

価格の変動のあつた場合も同様であることは当裁判所の判例(昭和二三年(れ)第

八〇〇号同二五一〇月一一日大法廷判決指定価格の廃止の場合については、井上裁

判官の少数意見がある。)とするところであるかち、本件を罪とならないとする論

旨は、理由がない。殊に本論旨は、主としてこの点を理由とする量刑の非難であつ

て、かたがた上告適法の理由とならない。(二)論旨第二点は、本件犯行の動機の

釈明であり、第三点は、本件犯行の利得金額が一万円に過ぎないことを指摘し、第

四点は、再犯のおそれがないと申し立てるが、これまたいずれも量刑不当の主張で

あつて、上告の理由にならない。

よつて旧刑事訴訟法第四四六条に従い、主文の通り判決する。

以上は当小法廷裁判官全員一致の意見である。

検察官 竹原精太郎関与

昭和二六年一月二三日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

- 1 -

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官穂積重遠は差支えの為署名捺印することができない。

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

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